こちらの書籍は、1995年に創刊された音楽雑誌「ele-king」の
増刊号として刊行されました。
本書の企画は、クリエイターの宇川直宏氏が運営する
ライブストリーミング番組「DOMMUNE」でシリーズ化していた
メタバース企画が原点になっています。
その為、現在巷で話題になっているメタバース関連の記事とは異なり、
利用している人寄りな視点で語られています。
■メタヴァースが変える世界
先駆者セカンドライフの持続性から未来を探る
SLでもお馴染みの三淵教授のインタビューです。
これまでのWEBは、優秀な理系の人が使いやすかった
左脳的な情報空間だったのに対して、
メタバースは感覚的にアクセスできる右脳的な情報空間だと言われています。
SLの最大の価値は、民主的に育ってきた事。
GAFAのような中央集権的にコントロールするのではなく、
住民たちが自分たちの手で育て上げてきたからこそ、
18年も続いてこれたのだと言われています。
■無限の幻想を共有すること-宇川直宏
宇川氏は、メタバースの概念、アイディアは、パーソナルコンピュータが
登場する以前から存在したと言われています。
60年代、70年代に登場したサイケデリックカルチャーやヒッピーイズム、
フラワー・ムーブメントなどで自らの手で楽園を創造しようとした動きがそれにあたり、
果たせなかった夢をサイバースペースで可能にしたものが、
今日のメタバースではないかと言っています。
■来るべき「オアシス」への道筋
元gimiで(株)ThirdverseのCEO 国光宏尚氏とCSO 新清士氏のお話。
メタバースには色いろな定義があるが、現在話題となっている
メタバースについては、いくつかのトレンドが交じり合って、
大きなムーブメントになっていると言われています。
1:SNSの進化
通信速度の進化に合わせてコミュニケーション方法が変化。
3G:テキストベース。TwitterやFacebookなど。
4G:画像、動画ベース。インスタやTikTokなど。
5Gは⇒??
2:ゲームの進化
ファミコン、プレステなど家で一人で楽しむものが、
PCやスマホでネットワーク上でみんなで楽しむものになった。
3:XRの進化
デバイスの進化。
高価だったVRデバイスがOculus Quest 2の登場で普及期を迎えた。
4:ブロックチェーンの進化
ブロックチェーンの技術で供給量が制限できるようになった。
その事を世界中の誰もが参照できるようになった事で価値が生まれた。
それによりコンテンツビジネスが復興する可能性が出てきた。
「レディ・プレイヤー1」では、オアシス上でユーザーがお金を稼いでいた。
ゲーム上のオブジェクトがNFT化する事で、同じような事が可能になる。
■プレヒストリック・メタヴァース
田中“hally”治久さんによるメタバースに至るまでの歴史に触れています。
以前に部活のテーマとして参考にさせてもらったお話です。
■人間は古来よりずっとアヴァターを使ってきた
SLをフィールドワークとして試みている社会学者の池上英子さんのインタビュー。
著書に「自閉症という知性」、「江戸とアバター」などがあります。
池上さんは、仮想する力は、もともと人間に組み込まれているものだといいます。
過去の体験などを通して、仮想し絵を描いたり、音楽を制作しながら、
外の世界と共有し、文化や文明を築いてきたと言われています。


